一口に「IoT」と言っても、センサーの話題から、ネットワークインフラの話題やサービスなど、IoTに関する市場は幅広い分野に広がっており、記事や人によって、どの部分を指して「IoT」と表現しているのか、分からない場合も多いですよね?
そこで、今回はIoT市場を構成する5つのレイヤーについて説明しようと思います。

ICT市場調査会社のIDCでは、IoT市場を5つのサービススタックレイヤーに分けてとらえています。
それぞれ、どんなサービスが該当するかを見ていきましょう。

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IoTの5つのレイヤー


IoTの5つのレイヤーとその役割

レイヤー 説明・役割
(1) System/Device IoTサービスにおいて、実際に通信する「モノ」の市場 ・各種センサー
・スマートフォン
・スマートウォッチ
(2) Connectivity 2G/3G/LTE,WiMAX,Wi-Fi,Bluetooth,ZigBee,Wi-SUNといった通信モジュールや通信回線、通信事業使者によって運用される中継網や通信インフラ、ルータ、スイッチといった通信機器の市場 ・3G/LTE SIM
・Wifi/Bluetooth
・IoT Gateway
(3) Platform デバイス、ネットワーク、アプリケーションの管理/運用を実現するプラットフォーム。
IoTを構成するモノのアクティベーションや認証、ネットワークでの通信課金管理や国際ローミング管理、アプリケーション開発環境提供や既存業務アプリケーション連携などを実現するプラットフォームの市場
・Device-Enablement Platform
・Network-Enablement Platform
・Application-Enablement Platform
(4) Analytics モノが収集したデータを蓄積/分析し、上位のサービスと連携して、合理的なアクションへとつなげるための市場 ・統計・集計
・機械学習
・BA/BI
(5) Application Analyticsレイヤーとも連携しながら、データ分析結果をもとに特定のアクションにつなげるための垂直市場向けアプリケーションを中心とした市場です。 ・業務別サービス
・ダッシュボード

ここまで、5つのレイヤーを見てきましたが、たとえば、SIM+回線速度や認証などを管理できるSORACOMは、(2)+(3)の一部から構成されるサービスと言えるでしょう。

Torrentioは(3)~(5)を担うIoTプラットフォームです。
※詳細はこちら「アーキテクチャ」

Torrentioは、収集されたデータを処理するプラットフォームであり、デバイス~ネットワーク~集計・分析までを、一貫してサポートすることが目的です。

(3)Platformとしては、IoTサービスを動作させるクラスタを動的に構築したり、スケールアウトさせたりすることが可能です。また、プログラミングレスで、サービスを構築することができ、収集されたデータを蓄積したり、他のアプリケーションと連携したりといったことを簡単に行うことができます。

(4)Analyticsとしては、StreamデータをSQLライクな表現を用いてフィルタリングしたり、平均、合計などの統計処理をサービスに組み込むことができます。また、異常値検知や予兆検知など、機械学習を利用した分析などに対応します。

また、(5)Applicationとしては、集計・分析した結果は、他のデータソースへの蓄積や、WebSocket、MQTTなどでのリアルタイム通知、モニタリングダッシュボードを用いたビジュアライゼーションなどを行えます。そのため、利用者は最初に簡単な設定を行うだけで、安全で高度なIoTサービスを構築することが可能です。

ここまで、IoTの5つレイヤーについて、実例も交えつつご紹介してきましたが、いかがでしょうか?
サービスがどのレイヤーに位置しているかを知ることで、他のレイヤーとの連携や実際に使用する際にどんな構成が必要かが見えてきますよ。